口の中の抗体

私たちは食べるという行為によって、口の中にさまざまなものを放り込みます。その口の中に入れるもののなかには、ばい菌も含まれるでしょう。ばい菌たちにとって、口というのは最適な生息地です。というのは、水分と栄養分がたくさんあるからです。

そんなばい菌から私たちの身体を守るために、唾液の中には抗体が含まれています。主としてそれらは、リゾチーム、ラクトペロキシダーゼ、ラクトフェリン、そしてIgAです。これらの抗体は、私たちの身体を外のばい菌だらけの世界から守ってくれています。

 

人の身体で口のような、外の世界と触れ合う部分にはフローラという微生物集団がいます。この集団は単なる細菌の集団ではなく、お互いに影響をあたえながら一種の共同体を作り上げています。細菌の中には病気を発生させる悪い細菌もいますが、抗体が存在することによって、私たちの身体はフローラと良好な関係を保つことができます。

免疫抗体は、私たちの身体の外から入ろうとする病原体などに対抗して、私たちが健康に生きていくために働いてくれています。このとき、フローラはその病原体の侵入を防ぐだけでなく、私たちの免疫機能の補助的役割をはたしてくれます。

 

唾液は様々な形でばい菌に対抗してくれます。まず、唾液にはどのようなばい菌に対しても作用してくれる抗体を含みます。具体的には、例えば、ばい菌が口の中にくっ付かないようにしてくれる抗体で、ムチン、フィブロネクチン、そしてヒツタチンというものがあります。その他、ばい菌を攻撃してくれる抗体で、リゾチーム、ラクトペルオキシダーゼ、ディフェンシン、ラクトフェリン、そしてトランスフェリンがあります。狙ったばい菌に対して働いてくれる抗体には、IgAがあります。